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ナイロンのちょとした面白い話
「重さ」でラインの強差がわかる・・・
2006「YGKよつあみ」カタログ結人より引 用                      メーカーHP
信じられないラインの表示
貴方がラインを選ぶ時、何を重要視しますか?釣りの種目や人によって求められる基準は様々ですがどんな場合でも当てはまるのが、やはり強くて細い事。同じ素材で同じ強さなら、細いラインで有る程魚を釣る上で有利なのはいうまでも有りません。釣り人であふれかえる現代のフィールドではラインの品質の優劣で釣果が大きく左右されます。繊細な釣りを得意とする日本人だからこそ「細さ」にこだわるのは当然と言えるでしょう。
しかし、ここに大きな落とし穴が有ります。
一般的にラインの太さを表す号数表示、同じ1号ならどんな製品でも同じ直径なのでしょうか?細いラインで大物を上げる事は釣人の勲章ですが、本当にそれは表示通りの太さなのでしょか?
貴方は、本当に釣果を誇れるラインを使っていますか?
同じ号数でも直径が違う?
ナイロンラインには定められた「標準直径」と言うものが有ります。例えば1号の標準直径は0.165ミリ。これ以上でもこれ以下でも有りません。
但し、製造したラインにはどうしてもわずかなバラツキ、誤差が生じますから、1段階上の号数の標準直径より細ければ、そのラインは1号と表示できます。
つまり市場には「限りなく正確な1号」と「限りなく1.5号に近い1号」が混在していると言えるのです。そして、精度の高い製造技術が要求される細いラインほど、その直径はかなり曖昧です。かろうじて取り決めが有るナイロンラインでさえこの状態なのですから、ナイロンラインの標準直径を”借りて”いるに過ぎないフロロカーボンやPEライン(ダイニーマ)などの表示がどういった状態かは想像するに余り有ります。
特にPEラインの場合、明らかに太いと思える様な製品が市場に氾濫いていますが、原糸が細いほどコストが跳ね上がる事を考えれば太目の原糸でコストを抑えて強力(りきりょく)(引っ張り強力。ラインの一部をランダムに切り取って両端を引っ張り測定する)を高め、ユーザーを欺くことも不可能では有りません。
同じ号数表示だからといって、単純に強弱を比較できい点はこんな処に有るのです。
ポンド表示について
ポンド(lb)で表記されているラインが一般的に増えてきました。このポンドとは強力の事です。
1ポンドは0.453kgの強力が有ると言う事ですが、この表示も曖昧さが見え隠れします。太さ重さに関係なく強力のみの表現なので号数には換算出来ません。12lbとは5.436kgの強力テストのラインに表示されるものであって、強力6kgのラインは13.3lbと表示しなくてはならないはずです。
高い精度のラインを作る鍵
その昔、ラインの太さをの目安は、重さを元にした「分」「厘」「毛」と言った単位で表されていました。1959年にはこれを基準に標準直径が定められ号数表示が一般化しましたが、今では重さの事はほとんど忘れ去られてしまいました。しかしこの忘れられていた重さこそ、精度の高いライン作りを目指す私達が重要視する鍵なのです。
現在、ラインの重さを表す単位としてはデシテックスが有ります。長さ10000mで1gの重量が1デシテックス(ただし、一般的には今も旧単位のデニールが使われる事が多い。1デニールは9000mで1gと定められていますが、ナイロンライン1号なら245デシテックス1号100mのラインならその重さは2.45gに成ります。長さと重さが決まっていれば、必然的にラインの平均糸径を逆算することが出来ますが、仮に2.45gより重ければ、それは標準直径よりも太いラインと言う事になります。また、ラインの「強度」を算出するためにはデニール値が必要になってきます。強力の数値をさらにデニール値で割ると、太さに関係なく素材が持つ本来の強さを表す数値が出てくるのです。
同一断面積あたりの強力の比較(ナイロン1号は標準直径φ0.165m/m)
釣りにおけるラインの役割は、勿論魚とのダイレクトな駆け引きです。役割から考えると、強いラインの方が細いラインを使えるわけですから、製品選びはまづ強さが基準となります。
では強い製品を選ぶ時は、何を基準に判断するのでしょうか?
フロロカーボン、ナイロン、ダイニーマなど様々な素材、特徴を持ったラインが開発され、店頭に並んでいます。例えば手軽に使えるラインとして親しまれているのがナイロンライン、ハリスとして好まれているフロロカーボンライン、道糸としてはダイニーマのラインなどが一般的なラインです。
しかし直径や号数の関係がが曖昧な現在の表示では、号数による強力の比較など、必ずしも同じ条件下での比較材料として判断することは出来ません。
号数、つまり糸の太さに誤差が生じるのであれば、一定の基準下での強力を比べなければ強力を正確に判断で来ません。そこで素材別に単位面積当たりの強力を比較して見ましょう。
糸の断面積を同じにした時の強さを求める事で、太さ号数にに関係なく単純に同じ太さ(断面積)での糸その物の強さが比較出来ます。
同じ断面積当りの強さを比較してこそ、製品の持つ真の強さを知る事が出来るのです。
前記の様にラインの重さを表す単位としてデシテックスやデニールが有りますが、断面積を算出するにはこの数値を利用します。
一般的に断面積は[半径X半径Xπ(3.14)]で表されます。ラインの直径は正確な重さと素材の比重により逆算する事が出来ます。つまり、直径は[(√糸デニール/比重X9000mXπ)X2],又は[(√糸デシテックス/比重X10000mXπ)X2]で算出出来ます。
1号を例にとると一般的にはナイロンラインでは比重が1.14、フロロカーボンでは1.78と言う数値が出ています。又ナイロンではデニールで219、デシテックスで243、フロロカーボンではそれぞれ342と380と成ります。
1号ラインの標準直径を0.165mmとした場合、上記の計算式に当てはめて断面積は0.0213716平方mmとなります。実測値ではナイロンのデニール及び強力は219dと2.2kg、フロロカーボンは342dと2.052kgと言う数値が出ています。1平方mm当りの強力は[kg.f/平方mm]で算出出来ますから、ナイロンでは102.9kgmm2、フロロカーボンでは96kg/mm2と成ります。
つまり、1平方mm当りの数値として正確に把握するとナイロンの方が単純に強いと言う結果が見えてくるのです。ちなみにデニール当りではナイロンで10.04g/d、フロロカーボンで6.00g/dと成ります。水中、日差しなど過酷な条件下での使用が前提とされている釣り用のラインですから一概には言えませんが、素材の特性を知って、より楽しく釣りが出来るのではないでしょうか?
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